銀行融資の知識

20.一人でもできる銀行交渉術

もっとも簡単にできるのが「複数金融機関と取引し、適度な緊張関係を保つ」という方法です。

 「一人でできる」という規模の会社にとって、財政状態の向上をネタに、一行の銀行と交渉できる余地はそれほど大きくありません。

特に制度融資を利用している場合、借入額も金利も「制度」に従わざるを得ないので、その傾向はますます強まります。

つまり、「銀行は他行が貸したがっている企業に貸したがる」の基本原理を使うのが一番効果的ということです。

また、銀行と適度な緊張関係を保たないと、「銀行からの情報提供」を受けられず、「情報弱者」になってしまう可能性が高まります。

まず攻めるべき3つの金融機関

「交渉が必要だな」と思うようになったら、まずは「今取引している銀行」「日本公庫(国民生活事業)」「地方銀行の県外支店」の3行と取引(借入)をしてみて下さい。

日本公庫は条件さえクリアしていれば融資の実行可能性が大ですし、県外地銀はアウェーで辛酸をなめていますので、交渉の当て馬に使われることになれています。

交渉開始には最適な月がある?!

交渉開始の時期は8月のお盆過ぎ、銀行の9月末の中間決算をターゲットにしましょう。できれば、会社にとって一番「現預金」があるとき、例えば繁忙期の代金回収が済んだタイミングが良いと思います。

また、「一人でできる」のレベルにもよりますが、ちゃんとした試算表の作成が難しいのであれば、交渉のタイミングは「決算書」が出来上がった直後しかないことはいうまでもありません。

そして、銀行と交渉する際には「回答期限」を必ず設けてください。案外「期限を設けるなんて失礼じゃないの?」と考えられる方がいらっしゃいますが、失礼にあたることはありません。

いまや銀行はそれくらいビジネスライクですし、仮に回答を忘れられていたとして、「回答が遅いから担当者を変えてくれ」とその上司にクレームを付けたところで、御社に特になることはひとつもないのですから。

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会計事務所業界に20年、税理士資格取得後独立し10年間となる。500社以上の中小企業に関与し、特に資金繰りと銀行交渉については113社をサポート。「決算書が読めない経営者でも銀行交渉ができる」をコンセプトに説明資料の準備から、アピールすべき点、想定される質問、さらには交渉の継続判断など具体的な「次の一手」をアドバイスし、中小企業経営者から絶大な信用を得ている。

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