銀行融資の知識

17.銀行借入の金利について知ろう!

中小企業における銀行借入の金利は0.9~3.5%が一般的です。
金利に幅があるのは、①企業の体力、②銀行の種類、体力、③固定か変動金利か、④制度融資かプロパー融資か、の4つの原因が考えられます。

保証協会の保証料は金利ではありませんが、一般的に金利と合算して考えます。

金利に幅がでる企業体力

①企業の体力ですが、借入のロット(借入額)、財務状態による安全性によって変わります。

当然、ロットが大きくなるほど低金利になりますし、安全性が高まるほど低金利になります。

また、交渉能力の高さも関係します。









金利に幅が出る銀行の種類

②は、銀行が大きいほど低金利になります。

銀行規模は、都市銀行>地方銀行>信金・信組の順になります。また、同じ銀行でも貸付戦略店や、新しい支店など低金利になります。











金利に幅が出る金利種別(固定/変動)

③固定金利は借入期間中金利が変わることはありませんが、変動金利は借入期間中に金利が変わります。

固定金利は、金利が高くなっても銀行が損をしないように、変動金利に比べて高くなります。

おおよそ、0.5~2ポイント程度高くなるのが一般的です。政府系金融機関や制度融資には固定金利が多く、銀行のプロパー融資の多くは変動金利です。

固定金利と変動金利はどちらが有利なのか?

よく、固定金利と変動金利を選べる場合に、どちらを選んだ方が良いでしょうか?というご質問を頂きますが、当然「金利が上がりそうならば固定で、下がりそうならば変動で」というのが原則です。

しかし、「上がりそうか、下がりそうか」が分かったら金融商品で一儲けできてしまいます。

金利は、市場相場に加えて、日銀が政策的に操作しますので、ハッキリ言って分かりません。博打と割り切るべきです。

変動金利の多くは短期プライムレート+○%とか、長期プライムレート+○%という形で、ターゲットのレートが変わると金利が変更になります。

余談ですが、必ずしも長期資金が長期プライムレートに連動し、短期資金が短期プライムレートに連動すると決まっている訳ではありません。

銀行員から長期貸付は「長期プライムレートで調達しているので、他行さんでもこれ以上安くできるはずがありません!」と言われて閉口したことがありますが、実際問題、長期プライムレートより低い金利での長期資金融資が世間にはあふれています。

むしろ最近、低金利の過熱感が目立っており、傍から見ていて大丈夫なのかと心配になるぐらいです。

金利に幅が出る融資形態

④について、保証協会付融資(制度融資)はどの銀行を通しても、金利、保証料率ともほぼ一定で、銀行に競わせるという種類のものではありません。

したがって、財務基盤が弱く、格付けの低い企業にとってはプロパー融資よりも低金利になり、財政基盤が盤石で、高い格付けの会社にとっては高金利となることが多いと思います。

プロパー融資は、企業の財務状態や銀行の体力と言った要素で金利が決まります。
ところで、制度融資には資本金と従業員数による制限があるということに気を付けて下さい。

資本金5,000万円以下であれば業種に関係なく保証の対象となりますが、特に気をつけたいのが小売業(飲食業)で、資本金5,000万円超の場合、従業員数50人以下でないと対象外になってしまいます。小売業で増資を考える場合、ウッカリと言うことが無いように気をつけて下さい。

中小企業の味方?利子補給について

さらに、中小企業の金利を語る際に、忘れてならないのが「利子補給」です。

都道府県または市町村といった単位で利息または保証料に対して補助をしてくれます。また、「無利息」貸付という制度もありますので、借入の際には一度は自治体のホームページを探すなり、場合によっては自治体の「商工課」に問い合わせをしてみて下さい。

利子補給は多くの場合、市町村(東京であれば特別区)が行っております。自分で調べるのも一つですが、地元の銀行と付き合っていると、銀行サイドから勧めてくれる場合があります。

ところで、こうした利子補給系の制度を利用する際に気をつけて頂きたい点があります。

市町村の制度には「都道府県の助成制度を使っていない事」という条件が付くことがありますので、「市町村を検討した後に都道府県を検討する」という順番を守る、もっと正確に狙うなら、「事前にこうした条件がないか」を調べて確認してという事が大切です。

銀行借入の利子率に影響を及ぼす可能性アリ!「特利」のメリット

さらに余り知られていませんが、政府系金融機関には「特利」と呼ばれる政策的な超低金利融資があります。

これを利用すると財政基盤の弱い零細企業でも低い金利の借入を受ける事が可能です。

特利は政府の指定する特定業種・特定事業に当てはまるか、「経営革新支援法」の適用を受けるかなど、一定の条件に該当した場合に利用することができます。

特に後者は努力次第ですので、新規事業や事業の合理化などに資金が必要となる場合には、政府系金融機関と相談しながら進めてみることをお勧めします。

「適用を受けたところで借入に直結しない」

ということで、経営革新支援法は不人気です。 しかし、経営革新支援法の審査をするのは都道府県の商工課や産業支援課です。

この制度をうまく使って、行政の担当者とのパイプを作り、色々な施策情報をもらったり、支援を受けたりできるようになった企業もありますので、ぜひ利用をお勧めしたいと思います。

大切なのは、プランを事前に政府系金融機関に説明し、融資が受けられるか、そして特利が使えるかの確認をするとともに、巻き込む形で一緒になって進めてもらえる様な関係を構築する事です。

そして、一度適用を受けたら、こまめに自治体の商工課の担当者と情報交換をするように心がけます。

もちろん経営革新計画の実施報告もきちんと提出すべきです。 すると、商工課の担当者は、書類で「実績」をキチンと示してくれる事業者が少ないので、色々な施策が出た際に、「応援するから挑戦してみないか」と言ってくれるようになります。

そうすると、自分だけで情報を集めていたのとは段違いの情報が得られるようになります。

さらに、自治体商工課と一体となって進める事業となると、政府系金融機関が融資をしてくれる可能性が非常に高くなりますので、「低金利でかつ助成金をもらいながら」事業を進める事が出来るようになります。

これは大都市よりも、企業誘致に積極的な郊外の自治体で特に有効な手段です。

また、特利や無利息融資を使って平均利子率を下げると、銀行は決算書の「支払利息÷借入金」で平均利子率を計算して他行の利率を計って営業しますので、一般の銀行が勧めてくる金利も自然と下がってきます。

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税理士松波竜太Ryota Matsunami

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業績の変化、銀行担当者の変更などで、いつ何どき事情が変わるか分かりません。
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会計事務所業界に20年、税理士資格取得後独立し10年間となる。500社以上の中小企業に関与し、特に資金繰りと銀行交渉については113社をサポート。「決算書が読めない経営者でも銀行交渉ができる」をコンセプトに説明資料の準備から、アピールすべき点、想定される質問、さらには交渉の継続判断など具体的な「次の一手」をアドバイスし、中小企業経営者から絶大な信用を得ている。

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